1890年、アメリカ北西部に位置するパインリッヂの居留地で、窮屈ながらも平穏な生活を送っていたラコタの一族は、突如、第7騎兵隊の襲撃を受ける。白き悪魔と異名をもつアメリカ合衆国第7騎兵隊を指揮する将軍ジョージ・カスターが、己自身の過去の恨みを晴らすべく、警察行動と称し、パインリッヂを襲ったのだ。ラコタの民は何の抵抗も出来ないまま皆殺しにされた・・・
・・・それから10年後・・・パインリッヂは、赤茶けた大地にただ風が吹き抜けるのみ・・・大虐殺の痕跡を留めるものは何も無かった・・・そう、ただ一人の男をのぞいては・・・
今や陸軍総督の地位にまで上り詰めたカスターは、更にインディアンを弾圧すべく隔離政策を推し進めていた。
これを止めるべく、行動を起こしていた「恥ずべき一世紀」の著者ヘレン・ハント・ジャクソンは、 10 年前のパインリッヂにおける第七騎兵隊の警察行動に疑問を持ち、密かに調査を進める。そして、一つの伝説に突き当たる。
パインリッヂの大虐殺の中、ただ一人生き残り、「白き悪魔」ジョージ・カスターに復讐を誓ったラコタの勇者がいると。
勇者の名は「ブレイブ・ハート・イェル」(勇者の雄叫び)・・・ヘレンは、その男の証言を取るべく、パインリッヂへと向かう。
一方、インディアンの青年、レッド・クロウは、大西部を奔走していた。自分の義理の弟の暴走を止める力を手に入れる為に・・・
—アメリカ合衆国第7騎兵隊に己の一族を虐殺されたインディアンの若者「イェル」が、 7 人の仲間と共に、第7騎兵隊とその指揮官である「白き悪魔」将軍ジョージ・カスターに戦いを挑む戦記譚。人は、何のために生き、何のために死ぬのか?人間の生と死を見つめた至極の大西部エンターテイメントが、ここに降誕する!
※当作品では、作中の時代設定を 19 世紀末としている関係上、アメリカ先住民族の呼称を「インディアン」に統一しております。これは、当時の時代背景に即した表現を目指すものであり、作者及び劇団に差別の助長の意図はありません。
キャスト
和田哲也/山口敦志/千都穂/山口いずみ/宮地亜也/梅﨑尚子/湯浅崇(未来探偵社)/里見陽介(エビス堂大交響楽団)/加三修(TANT RYTHM)/菊池秀之(TANT RYTHM)/末満健一(ピースピット)
スタッフ
作・演出:城田邦生
舞台監督:藤原治基/舞台監督補佐:横瀬大地/音響:谷口大輔/照明:岸田緑(株式会社エス・エフ・シー)/音響効果:ヨシモトシンヤ(劇団Ugly Duckling)/選曲:Spendid Sound/衣装:ヨダミカ(JEDI-ya!)/フライヤーデザイン:チャーハンラモーン(カルフォルニアレコード)/スチール:アラカワミヨコ/舞台撮影:武信貴行/演出補:劇創ト社/制作:桝田聖美・劇創ト社/プロデュース:柳澤尚樹