狂言面づくし十番 其の三:「神鳴」「腰祈」

Genre その他

Period 2021/01/20

Region Kanto

Cast
山本東次郎(人間国宝)/山本則俊/山本泰太郎/山本則孝/山本則秀/山本凜太郎/若松隆

Staff
合同会社大蔵流狂言山本事務所


Outline

『神鳴』都には腕の良い医師がたくさんいて商売にならないので、東国に出稼ぎに行くことにした医師、その途中、急に天候が変わって、稲光と共に雷鳴が轟くと、目の前に神鳴が落ちてきた。調子に乗ってつい雲間を踏み外してしまった神鳴は、腰を痛めて動くことができない。目の前に震えている医師に治療をするよう迫る。腕に自信はないが、懸命に針治療を行った、その甲斐あって神鳴は無事に完治、すかさず治療費を請求する医師。持ち合わせのない神鳴は、その代わりに何でも願いを叶えてやろうと約束する。自分の能力に確信が持てない情けない医師だったが、必死になって神鳴の治療をやり遂げ、大きく変貌する。神鳴に申し出た、その意外な願いとは?神鳴の役に使う面は「神鳴」、鬼面の一種であるが、独特のユーモラスな表情が他にはない大きな特徴である。額に浮き出た太い血管によって、高血圧の持病があることがわかる。
『腰祈』大峯・葛城で修行を終え、故郷の羽黒山へ帰る途中、都に住む祖父のところに立ち寄った山伏、ところがあまり長い間会わずにいたので、老人は山伏が自分の孫だと認識することができない。百歳を超えた祖父にとって山伏は今も小さな子どもの頃のままなのである。山伏は祖父の腰が曲がったままでは気の毒だから、治してあげましょうと、修行の成果を見せようと祈祷を始めるが・・・。大峯山・葛城山は修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が修行を始めた地で、以来、修験道にとって最も重要な信仰の拠点、ここでの修行を終えて一人前の山伏として認められたことになる。祖父の役に使われる面は「祖父(おおじ)」であるが、穏やかな顔、意固地な顔、強情な顔、とぼけた顔等、一つ一つの面に非常にさまざまな表情がある。老いをどう捉えるのか、面を打つ人の人生観がはっきり表れる面である。

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