狂言面づくし十番 其の一:「福の神」「止動方角」

Genre その他

Period 2021/01/19

Region Kanto

Cast
山本東次郎(人間国宝)/山本則俊/山本泰太郎/山本則孝/山本則重/山本則秀/若松隆

Staff
合同会社大蔵流狂言山本事務所


Outline

『福の神』 毎年、大晦日の夜、誘い合って福の神へ参詣する信心深い二人の男、そのお蔭でだんだん裕福になっていくことを喜び合う。「福は内へ、鬼は外へ」と豆を蒔いているところに、高らかな笑い声とともに福の神が現れた。二人の篤い信仰心を褒め、ねだった酒をなみなみと注いでもらって飲み干して、上機嫌の福の神は、幸福になる秘訣を伝授する。福の神のいう幸せとは、金銀財宝で豊かになることではなく、心の持ちようが大事ということ、朝は早起きして働き、人には慈悲の心でもてなし、夫婦仲良く暮らし、それから福の神にたくさん酒を飲ませてくれるなら、きっと幸せになるだろうと約束する。シテ・福の神の役に使われる面は「福の神」で、酒に酔って上気したようなほのかな朱色で、額に神の印である宝珠の形が刻まれている。
『止動方角』 世間では茶の湯が大流行、茶の優劣を競う集まりに参加することになった主人は、伯父のところへ行って上等の茶と太刀、馬を借りてくるよう、太郎冠者に言い付ける。気前の良い伯父は快く貸してくれるが、最近、馬に悪い癖がついて、背後で咳をすると瞬く間に駆け出してしまうので気を付けるよう注意し、万一の時には馬を静める呪文を教えてくれた。たった一人で大荷物を抱えて戻る太郎冠者を気の短い主人は待つことができない。途中までやって来ると、帰りの遅いことを叱りつけ、さっさと馬に跨がり、太郎冠者を罵る。悔しい太郎冠者は悪戯を思いつき、馬の背後にまわって大きな咳をすると、突然、馬が駆け出し、主人は振り落とされる。太郎冠者は急いで呪文を唱えて馬を静めるが、主人が乗ると再び同じことが・・。主人はやむなく、自分の代わりに太郎冠者に馬に乗るよう、言い付ける。馬の役に使われる面は「賢徳(けんとく)」で、人でもなく動物でもない不思議な造形である。馬の他に牛や犬、蟹の精などの役に用いられ、その際、黒頭(くろがしら・黒髪のぼさぼさした大きな鬘)や黒垂(くろたれ・ストレートの黒い長髪の鬘)と合わせて使う。

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