吐くほどに眠る
ガレキの太鼓
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ガレキの太鼓
その他
【EPAD】
罪を犯した女の一生を辿る、滑稽ながら切ない怪作。
現在活動休止中のガレキの太鼓が、「女だらけの人間賛歌」と銘打って行った。
旗揚げ2年目で、口コミサイト全国4位に躍進した代表作の、再演。
アゴラ劇場の前を、キャンセル待ちが長い列を作った。
肩を震わせ泣いたあの子の、人生の物語
ひざまずいて許しを乞えば、どこから始められるだろう
私が何かをやったとて、誰に関係なんぞある
あなたが何かをやったとて、私の目には入らない
泣いてしまえというなら、その方法を教えてほしい
弱音を吐けというのなら、全て受け入れてくれるのかい
甘えるなと君は言う
強く生きろと君は言う
ならどうぞほっといて
どうか私をほっといて
お願いだからほっといて
EPAD・・・「緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業」
(文化庁「文化芸術収益力強化事業」)の略称です。
本サイトでは、同事業において、新旧の舞台芸術の映像を配信できるように権利処理した作品に【EPAD】の印をつけています。
井上三奈子(青年団)/北川裕子/小瀧万梨子(青年団)/髙橋智子(青年団)/富田真喜(青年団)/南波早(なんばしすたーず)/由かほる(青年団)/吉田紗和子
脚本・演出:舘そらみ
/舞台監督:森山香緒梨/美術:濱崎賢二/音響:田中亮大/音楽:森優太/照明:岩城保/照明操作:山岡茉友子/衣装:中橋玲子・本間圭一/演出助手:原岡岳穂・日坂春奈/演出補佐:久保大輔/宣伝美術:大木瞳/WEB:池田宇大/制作:半田桃子・矢口友朗・森口さやか/制作補佐:鈴木明日香・工藤寛泰/映像製作:深田晃司
morning sun 初春ver.
第27班
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第27班
大学4年の春の訪れ。
気温も落ち着き暖かくなってきた。
これから始まる就職先の研修の日々。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
後悔の無いように、一日一日を過ごそうとするが、結局バイトで日が暮れる。
今頃君は、何してるのかな。
モラトリアムの終わりを迎える大学生達の小さな小さな恋愛群像劇。
―自分の事しか考えられない考えたくない、でもその真ん中には大好きな君がいる―
※夏の終わりの『晩夏』、春の訪れの『初春』
完全ダブルキャスト・2バージョンで上演された
『morning sun』の初春verになります。
深谷晃成/鈴木あかり(AVILLA)/尾崎菜奈/佐藤新太(以上、第27班)/松田将希/細身慎之介/斉藤麻衣子/海老根理(ガレキの太鼓)/星秀美(レティクル東京座)/林弦太/能澤佑佳(演劇食堂おかわり)/三宅勝/もりみさき
脚本・演出:深谷晃成
音楽:山光涼(駄目なダーウィン舎)/舞台監督:本郷剛史・吉成生子/音響:田中亮大/照明:南香織・若原靖/美術:水野谷重謙/制作:塩田友克/小道具:富田喜助/楽曲編集:出田慎吾/宣伝美術:安田健人/ビジュアル撮影:太郎/演出助手:伊藤黎/衣装コーディネート:猪又義雄
あなただけ元気
箱庭円舞曲
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箱庭円舞曲
都内にある人材派遣会社「Misanthrope Partners」。
本作は、人材を集めて派遣する要となる、人材管理室の面々を中心に展開する。
人を募集し、人を選び、人を配置するという仕事。
営業チームがクライアントから受託してきた業務に合わせて人を集め、配置する。
同社から派遣している企業は官民大小多岐にわたる。そのため、抱える問題も多岐に渡る。派遣した社員の問題、派遣先企業側の問題。何より、自社内の人員配置が目下の課題である。交渉、根回し、人間関係。噂、秘密、好き嫌い。この企業の商品は、「人」なのである。「人」を売る会社の、まさに主幹部門とも言える。だがいつしか、社員たちは忘れていく。売り物として扱っている「人」たちも、社員たちと同じ人間だということを。人間には想いがあり、理想があり、希望があり、それらは折々で変化している。だからこそ、対等かつ丁寧なコミュニケーションが必要なのだということを。それに気付かないから、数多の問題が起こっているのだ。
と、中途採用入社の社員、望月佐内(もちづきさない)は考えた。そして彼は、内側からの組織改革に乗り出す。常日頃から疑問を抱えていた社員やジェネラル担当者は快哉を叫んで歓迎する。これが正しい方向のはずだ、と。上長や、利権を守りたい日和見社員たちは、当初は望月を疎ましい目で眺めていたが、様々なコミュニケーションの中で、徐々に望月に親和していく。やがて社内での評価も高まっていった望月は、人材管理室の室長に抜擢される。
首相が暗殺され安定を欠きはじめている政府も、大口クライアントの一つである。営業を通さず、経営戦略室と役員宛に直接オーダーされた案件は、公共事業として、東北地方の除染事業への作業員派遣。入札の体を取りながらも、政府との癒着によるほぼ違法の、口外法度の内密業務であった。
一人だけ元気だったのは、誰なのか。
【公演チラシ掲載文】
気付いてください!
あなたの行動の愚かさに!
気付いてないのはあなただけですよ!
そう思ってばかりいました。
自分の行いがもたらす影響に気付いていない人が、気を遣わず、周囲の誰かを傷付け、呆れさせている。常に本音を晒し、疎まれても意に介さず、今日も元気に笑っている。みんなが困り果てている。こういう奴に限って、言っても聞いてくれない。こちらの意見に耳を貸そうともしない。話が通じない。
残念な人だ。
そんな風に、文句ばかり言っていました。自分のことは棚に上げて。
自分だって、誰かからそう思われているかもしれないのに。自分が誰かを「残念な奴だ」と罵るのとおなじように、自分も誰かから「残念な奴だ」と陰口を叩かれているかもしれないのに。そこに、気付いていなかったのです。
幼かったんだと思います。
この人は話しやすい、本音を晒しやすい、と思っている誰かがいたとしても、相手が自分のことをおなじように思ってくれているとは限らない。逆もまた然りで。
そうやって、たくさんの人と出会い、たくさんの人と別れてきました。
残念な奴です。
しかし、ふと思うのです。
誰かに「残念な奴だ」とレッテルを貼るのは、自分を受け入れてくれなかったことに対するひがみなのかもしれない、と。自分がないがしろにされているという、悔しさ。こちらを見てくれない人間がいることに対するそねみ。残念な奴に気付いて欲しいのは、当人の残念さではなくて、自分のことだったのかもしれません。
こちらを見てくれ、と。話を聞いてくれ、と。理解してくれ、と。
それは誠に身勝手な、自己都合のレッテル貼りだったのです。
同様に、元気な人には、「元気な人」とキャラ付けをして、そういう人間として、関わってしまっていました。「無駄に元気だから」「あいつ鈍感だから」「基本馬鹿だから」なんて、勝手に決め付けて。
でも。
あなたも「人」なんですよね。私たちとおなじように色々考えていて、色々悩んでいて、色々妄想していて、喜んだり悲しんだりする、「人」なんですよね。ただの「元気な人」ではなくて。
今まで、こちらが勝手に「あいつはああいう奴だから」とレッテルを貼って深いコミュニケーションを避け、腹を割らないまま生き別れた、あなた。記憶の中にかすかに名残る、その他大勢の、あなた。もう二度と会うことのない、連絡先すら知らない、友人になれなかった、あなたへ。
あなたが、元気で過ごしてくれていたら良いなと、心から願っています。
あなたもきっと僕のことを、「あいつはああいう奴だから」って、決め付けていましたよね?
辻沢綾香/白勢未生/牛水里美(黒色綺譚カナリア派)/岡田一博/林和義(VAICE★)/森啓一朗(東京タンバリン)/亀岡孝洋(カムカムミニキーナ)/鈴木ハルニ(ゲキバカ)/海老根理(ガレキの太鼓)/武川優子(電動夏子安置システム)/久留飛雄己(青年座)/小林健一(動物電気)
脚本・演出:古川貴義
舞台美術:稲田美智子/照明:吉村愛子(Fantasista?ish.)/音響:岡田 悠(One-Space)/音楽:modestock/舞台監督:鳥養友美/衣装:中西瑞美/演出助手:鈴木美結/宣伝美術・Web:小林タクシー(ZOKKY)/記録写真・宣伝写真:鏡田伸幸/制作:林みく(Karte)/当日運営:西村なおこ/企画製作:箱庭円舞曲
JASRAC許諾番号:
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