「暗闇の風から現れた醜い怪物め。俺をその手で捻り潰そうと言うのか?」
昔々か、もしくは遠い未来か、いま現在のどこかの物語り。
物心ついた時から独りぼっちだった孤独な盗人はある日、追っ手に追われて命からがら港に泊まった船に乗り込んだ。
積み荷ごと船を奪って逃げようとした盗人だったが、それは世界中のゴミが捨てれれる島に向かう船だった。
広すぎるほど広い海を渡りようやく辿り着いたのは、見渡すゴミの山が広がるヴルルの島だった。そこで盗人は、誰かに何かを贈りたいと願う怪物に出会った。島の星たちに見降ろされ、傷ついた者たちの奇妙な生活が始まる。
そして、島にまつわる悲しく残酷な過去が明らかになり始める・・・。