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有料 室生犀星「汽車で逢った女」

カテゴリー 一人芝居,

公演時期 2021/01/24

地域 近畿

キャスト
林英世

スタッフ
撮影・収録:堀川高志(kutowans studio)/収録助手:井ノ元陸/プロデューサー:笠原希


あらすじ

 三年間の刑期を終え出所した打木田三郎は、生きる喜びを感じられなくなっていた。妻にも友にも拒絶される。自棄を起こしそうな気分で乗った汽車で、彼は一人の女と出会う。
 その女に知らされた住所を訪ねて見ると、そこは小さな娼家であった。機嫌よく迎えてくれた戸越まさ子は、まさしく汽車で逢った女そのままで、打木田は「こんな所の人でもなけりゃ、訪ねてくることもできなかったのだ」と出獄人である自分の立場を意識しながら、刑期中に稼いだ金を気前よく払って、まさ子との時間を買う。ビールを飲み、手土産の志那饅頭を二人で分け合いながら、まさ子が汽車で自分と話をし、一緒に弁当を食い、手まで握らせてくれたことが思い出され、今も、出獄人である自分(彼女には打ち明けてはいないが)にまっすぐ向き合ってくれることに感動する。こうしてこの女といることで生きる喜びが湧いてくるのを感じた打木田は、まさ子に結婚を申し込む。まさ子は「この男はどうかしているのではないか」といぶかるが、普通の客とは違って、娼婦の自分をまっとうに扱ってくれる打木田に好感を持つ。
 その夜、ふと目覚めた彼は、女の寝顔を見ながら考える。彼女と一緒になるには金が要る。打木田の頭にはここに来る前に立寄った古着屋が浮かび、強盗の手順を思い描く。簡単な仕事だ。が、万一捕まったらまさ子との暮らしが出来なくなる…彼女といることの幸福を失いたくない彼は考えを変える。
 翌日、また来ると言い残して、彼は、かつて姉が働いていた、同郷の大学教授を訪ねる。北里という大学教授は、「金の無心に来たらしいが、自分に金は無い」と一旦は断る。だが、彼の姉には世話になったし、なにやら事情のありそうな彼の役に立つならと、納屋にある本を売って金にしろと言う。存外な額の金を手にした打木田は北里に金高を報告し、実は出獄したばかりだと真実を告げるが、北里は無関心で「うまく身を固めたまえ」というばかりだった。
 元の飾り職に戻る決心をした打木田は、再びまさ子の家を訪ね、「此処を出るにはいくらかかるか」と聞く。その金高は、本を売って手に入れた金の倍もした。普通に稼いでいては間に合わないと思ったが、北里に貰った金の事、それで道具を買って飾り職に戻るつもりである事を正直に話し、部屋を見つけ、身請けの金は少しずつお内儀へ入れていくと言った。
 二人は互いを信用し、汽車での出会いは二人には運命のように思われた。まさ子に言われて残りの金は店の手付を打つことにして、志那饅頭のお返しにとまさ子が買ってきた蒸し菓子を食べながら、二人は誰にも指一本触れられることの無い時を過ごすのであった。
 偶然の出会いが互いの人生を変えてゆく。ほんの二日間の大人のおとぎ話。

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45 分
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